まぁねぇ〜俺も悪かったと思うよ?ホント。
でも、やっぱこれはねぇだろぉおぉおおぉおおお!?










彼シャツならぬ・・・のおまけ的な物って言うか、只単に長過ぎたからぶっ千切って別に上げただけなんだっぜ!










ちょ!タイトル長っ!!って、俺にそんな事突っ込ますな!!!
・・・あーあれだ、一応時間的には同じ日な、同じ日。
例え、分けて上げたとしても!って!!だから俺にこう言うこと言わすな!!!
言っとくけどな!こんな手使えるの一回だけだからな!?
あ?それなら『開くのは・・・』と『この手じゃない・・・』も同じじゃないかって?
いや、あれは俺と新八視点だからって・・・だから説明さすなぁああぁぁぁああ!
話し進まねぇから!ホント!!
あー・・・とにかく、気を取り直して行くぞー。
ちゃんとついて来ねぇと置いてくぞー。
後、ちゃんと加筆してるから、タイトルはノリって事で軽く流してやってくれや。










新八の『彼着流し』姿に衝撃受けて、やんちゃしそうになって・・・軽く生か死かの選択を迫られた皮肉にも麗らかだった昼下がりから早くも数時間。
外はすっかりと日も暮れ、太陽の代わりに月が昇ってた。
ちなみに、新八はあれから干した服が乾くまで一歩も和室から出て来ませんでした・・・。
もうちょっと堪能したかったけど、ハートのアルバムに永久保存したからいいか。
まぁ・・・これが新八にばれたら、俺の息の根を止める事で処分されるから絶対言わねぇけど。



「神楽ちゃん!髪拭かないと風邪引いちゃうから!!」
「ヤーヨ!TV見る方が大事ネ!!」
「もーまたそんな事言ってぇ・・・」



晩飯も済んで、一番風呂じゃなきゃ嫌ネ!と、何時からか決った順番で風呂に入ってた神楽がポタポタ髪から雫を垂らしながら飛び出して来た。
そんな神楽を新八がとっ捕まえる。
しょうがないなぁとブツブツ言いながらも、その表情はどっか柔らかい。
先にTVと向き合うソファに座った新八は、足の間に座るように神楽を促す。
神楽も心得た物で、文句一つ言わずに・・・と言うよりも、待ってましたと言わんばかりの表情で示された足の間の床に座り込んだ。
慣れた様子で首に掛けられたままだったタオルを取ると、それを神楽の頭に乗せて新八が丁寧な手付きで髪を拭き始める。
ったくよぉ〜ホントお前、新八大好きな!
新八が居ない時は俺に言われる事も無く自分でちゃんと髪乾かしてる癖によ!
新八だって、ちゃんと出来る事分ってる癖に毎度毎度拭いてやりやがって・・・。
甘やかし過ぎると良くねぇつうのに。
何て事、つらつら考えてるけど口に出さないのは、こうやってる二人を見るのが嫌いじゃねぇから。
そりゃちっとは嫉妬とか大人気なくもするけど、うん、まぁ・・・あれだ。
本当に家族だなって、思える瞬間だからなぁ・・・。



「はい、終わり」



ぼんやり眺めている間に髪を拭き終わったのか、最後の仕上げて手櫛で髪を整えてやった新八が神楽に声を掛ける。



「ありがとアル!」
「どういたしまして」



半身だけを捻って礼を言う神楽に、新八はにこりと笑って頭を撫でてやった。
その手を気持ち良さそうに受けた神楽は、新八が立ち上がる気配を察してさっと身体を退けるとソファに座り直す。
この辺のタイミングで、これが日常茶飯事って事が分かんだろ?
使用済みのタオルを持って、新八が居間から出て行く。
耳を済ませてると、台所から水音。
今日最後の仕事、水周りの掃除をしてんだろう。
ちょっと位手を抜けば良いのに、ホント・・・真面目って言うか几帳面って言うか・・・。
ゆるりと弛む口元に、目敏く気付いて銀ちゃんキモイアルと可愛く無い事をほざく神楽はとりあえず小突いとく。



「銀さん、お風呂入っちゃって下さい」
「んぁ?あー先入れよ、新八」



片付けが終わったのか、居間に戻って来た新八が俺に向かって一言。
TVがちょうど良い所だったのもあって、軽く手を振って先に入るように促す。
時計を見れば、泊まるか帰るかどっちになるか微妙な時間。
だったら、風呂に入らせちまえばこのままお泊りコースだ。
昼間おあずけ食らった分、頑張っちゃうからなぁぁぁぁあぁああぁ!



「いえ、良いです。今日は帰りますから」
「はぁ!?」



俺の気合を空振りさせるようなさらっとした返答。
TVに向けてた顔をぐりんっと音がしそうな勢いで新八に向けると、何時の間にかすっかり帰り支度が済んでいる。
え!?何時の間に!?



「神楽ちゃん、夜更かししちゃ駄目だからね?」
「新八帰るアルカ?」
「うん。明日、自家製のたくあん持って来るね」



神楽も新八が泊まるとばかりに思ってたのか、幾らか不服そうにしている。
それでも、後に続いた新八の言葉に暫し悩んだ後に了承を示すようにコクリと頷いた。

おぃいいぃいい!マミィよりたくあんか!?たくあんが良いのかよ!?

と、思ったらそうでもないようだ。
神楽はソファから立ち上がると、新八に近付いてくぃっと袂を引っ張って見上げる。



「今日はお泊りしてイイアルカ?」
「え?僕の家に?」



きょとんとした表情を浮かべて、抜けた主語を新八が付け足す。
それに大きく神楽が頷いた。



「・・・分かった、いいよ。着替えておいで。湯冷めしないようにちょっと厚着するんだよ?」
「はいヨ!」



ぱっと顔を輝かせて、神楽が寝床にしてる押入れに駆けて行く。
あれ?ちょっと待て・・・そうなると・・・。



「俺今日一人かよ!?」
「大の大人なんですから平気でしょ?」
「平気じゃないから!全然平気じゃないから!!銀さん寂しいから!!!」



あっさりと玄関に向かおうとする新八を慌てて引き止めると、そんなつれないお言葉。



「神楽が泊まるなら俺もそっちに泊まる!」



一人になんかなって堪るか!とばかりにそう言えば、ものすんごい冷たい目で見られた。
それからふっと息を吐いて俺から視線を逸らすと、小さく笑う。
うん、新ちゃん。それ、世間では冷笑って言う笑みだからね?



「本当の事言うと、今日はこっちに泊まるつもりだったんです」
「じゃあ、泊まれば良いじゃん?過去形にしなくて良いじゃん?



帰してなるものかと、必死で引き止める言葉を紡ぐ。
そっぽを向いたまま、もう一度新八は大きく息を吐いた。



「珍しく銀さんが朝早くから仕事に行って、ちゃんと稼いで来てくれたから・・・まぁ、ご褒美って言うのも変な話しですけど・・・今夜は『良いですよ』って言うつもりだったんです」



逸らされた新八の顔が、薄っすらと紅に染まるのに小さく息を飲む。
それって、あの・・・そう言う事だよねぇええぇぇぇぇえぇえ!?
そんな事言われたら尚更帰さん!!!!



「でも、昼間あんな事されて一気にその気も無くなりました。ので、帰ります」
「ちょっ!」
「新八!用意出来たネ!!」
「じゃあ、行こうか?神楽ちゃん」
「はいヨ!」



ちょっと待て!と言いたかったけど、それよりも早く着替えの終わった神楽が戻って来て新八に飛び付いた。
よしよしと、何回か頭を撫でた新八が神楽を促して背中を向ける。



「いやいやいやいや!ホント、待って新八ぃいいぃいい!」
「銀さん」



そのまま本気で俺を無視して出て行こうとするので、腕を掴む事でもう一回引き止める。
そしたら、さっきの恥ずかしそうな表情はとっくに消え失せ、やっぱり冷たい目で見返された。



「あぁ言う事、昼間にはしないで下さいって僕、前にも言いましたよね?」
「えっ?あー・・・そうだっけ?」
「言・い・ま・し・た・よ・ね?」
「・・・はい」



一言一言切られるのが余計恐い。
これでまた惚けようなんざしたら、絶対恐ろしい事が起こる。



「次にまたやったら三行半叩き付けますから」



とんでもない破壊力のある言葉に思わず硬直。
固まった俺から掴まれた腕を取り返すと、俺に向けた冷たい表情なんて何のそので、神楽に向かってはにっこりと何時もの笑顔を向けた。



「行こう、神楽ちゃん」
「はいヨ」
「それじゃ銀さん、おやすみなさい」
「銀ちゃんおやすみネ!」



また明日アル!っと手を振る神楽に応える事も出来ずに、スタスタと軽い足取りで出て行く二人を見送った。
玄関で、神楽が定春を呼ぶ声が聞こえて、部屋の隅で寝ていた定春ものっそりと起き上がると二人を追いかけて出て行く。
銀さん・・・今夜一人寝決定・・・です。
そりゃね!?俺が昼間にあんな事したのが悪いけど!悪いけど!!

これは本当にねぇだろうぉおおぉおおぉおお!!

がっくりとその場に蹲った俺の耳に、遠くで野良犬があおーんっと一声鳴いたのが聞こえた・・・。















やっぱりBad End☆