出先から帰り、玄関を開けた所で嫌な予感が壮絶にやって来た。
目の前には見慣れない・・・いや、知ってるけど決して
見慣れたくない数人分の履物。
そして居間の方からは、やっぱり聞き慣れたくなかった数人の声・・・
ってか約一名の大きな笑い声。
いっそこのまま玄関から入らず、外に出ようかとも思ったが、
考えてみればここは自分の家で。
ならなんでそんな事をしなければいけないのか。と言う気持ちがフツフツと
湧き上がったりもして。
って言うかぶっちゃけ、アノ人達の為には動きたくねぇ。
それが例え自分の精神衛生上の為であっても。
って事で、俺は一つ深々と息を吐くと、重い足取りで玄関を上がった
のであった。
「ぅわっ!臭っ!!」
そのまま自室へと向いたかったが、後で奇襲されてもイヤなので
とりあえず居間へと顔を出す。
と、途端に匂う、酒やら煙管やらの匂い。
思わず鼻を摘んでいると、呑気な声が中から掛けられた。
「お〜閃時。帰ったか〜。どう?新ちゃん寂しがってなかった?」
「なんだ、閃時君が送っていったのか?全く、行く時はいいにしても、
帰りは一人になるのだぞ?夜遅くに未成年を歩かせてどうする!
危ないだろうが!」
「ってかそげに寂しいなら、おまんが行けばいいきに」
「ばぁか、そっちの方が危ねぇだろうが。戻って来ねぇよ」
寂しげな白と陽気な黒のモジャに、煙をプカプカさせてる鬼○郎もどき、
そして長々と話をし出しそうな長髪・・・
予想通りの面子に、俺はカクリと肩を落とした。
「母さん叔母さん達と滅茶苦茶楽しそうで、なんの心配もなし。
で、夜遅くって言うけど、まだ九時前。
ちなみに親父のお見送りは母さん直々に却下。理由はその通り。
・・・・ってかくせぇよ、本当!!」
換気ぐらいしろよ・・・ってか何時から呑んでんだよこの人達!!
俺はズカズカと居間へと入ると、窓を盛大に開け放った。
寒いだのなんだのと聞こえてきたが、知るもんか。
だって俺はもう自室に行くんだし。
そう思っていると、親父達がブツブツと話しているのが耳に入り、
ピクリと眉が上がる。
「全くよ〜、酒の匂いぐらい気にすんなよ。いいじゃん別に、
呑んでたら気になんねぇし」
だから呑んでないから気になんだよ!
言っとくけどなぁ、これで明日母さん達が帰って来てみ?
酒の匂いが霞むほど、血の匂いで埋まるからな、この部屋。
「煙管の香りも判らねぇとは・・・粋じゃねぇぜ?」
ならまずそのセカセカと詰め直す仕草を止めてくれ。
鬼○郎が甲斐甲斐しく目○の親父の茶碗風呂に
お湯を入れ続けてる如き忙しなさだよ。
・・・あ、そう思うとちょっと和むな。
「あはははは。閃時はまだ子供じゃき、無理もないぜよ」
・・・この人、酔っ払ってもこのテンションか。
ってか本当、酔ってんのか?
あ、でもなんかまともな事言ってるし・・・うん、
やっぱ酔ってんな。素面じゃ有り得ねぇ。
「いや、幼い頃から慣れておいた方が後々便利ではないか?
ここはどうだろう、コップをエリザベス柄のマグカップにして
釣り合いを取ってみては」
いや、なんの釣り合いだよ。なんにも取れてないよ、それ。
ってか懐から出さないでよ、そんなの。
なに?何時も持ち歩いてんのぉぉ!!?
文句を言いながらも、なんだか機嫌良さ気に笑っている親父達を見て、
とりあえず大きく息を吐く。
なんだろう・・・ここに居るだけで滅茶苦茶疲れてきた。
大体さ、確かに酒も煙管の煙も臭いんだけど・・・
「・・・一番キツイのは加齢臭だよなぁ」
ポツリと呟いた瞬間、それまで明るい笑い声で溢れ返っていた
室内が、一気に静まり返った。
「あ、やっべ。本音言っちゃった」
一応口元を隠すものの、口に出す声音に罪悪感はない。
ってか、元々そんなのはない。
固まる親父達を尻目に、窓を開けたまま戸口へと向うと、
とりあえず心底寒くなったら窓を閉めろとだけ告げ、
俺はさっさと自室へと向った。
その後、朝になるまで階下は物音一つせず、珍しくも
俺は安眠を貪る事が出来たのであった。
ちなみに起きた時、窓と言う窓はおろか、玄関すら全開だったのは
言うまでもない。
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いやっほぉおぉおぉおおぉいっ!!!!!
太門さんが坂田さん家の長男で攘夷組を弄ってくれましたぁあぁぁぁぁっ!!!
これね、ホントね・・・。頂いた時、本気でマジでっ!?ってなりましたよww
何時も坂田さん一家のネタをメールで頂いてて、 そのネタがホント、目から鱗ポロポロなものばっかでしてね?
蒼月が図々しくも『太門さんに閃時使って、攘夷組を弄って欲しい位ですよ〜』的な事を言ったら・・・。
本当にして下さったぁあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!(感涙)
本当にありがとうございましたぁあぁぁっ!!。・゜゜ '゜(*/□\*) '゜゜゜・。 ウワァーン!!
許可頂けたので、奉らせて頂きました☆
ってか、これでまだ本気で弄ってないとおっしゃるお師匠様が凄いっす!!!!!