021.桜並木
022.洗いたて
023.てるてる坊主
024.朝日 (坂田さん一家)
025.水遊び
026.つめきり
027.ティータイム
2009年10月18日〜2010年02月10日拍手お礼小説に使用。
「頂き物のお煎餅があるから、三時になったら一度帰っておいで」
お昼ご飯を食べて遊びに行くと告げれば、新八がそう言ったので大きく頷いた。
そして言われた通り、三時のおやつの時間に急いで万事屋に戻る。
「ただいまヨー!!」
「お帰り神楽ちゃん。手洗いと嗽、しておいで」
「はいヨ!!」
急いで定春の足を拭いて台所に駆け込めば、にこりと新八が笑ってそう言うので素直にそれに従った。
手洗い嗽を済ませてソファに座って待つ。
テーブルにはお煎餅の入った缶箱が置かれていた。
蓋を開ければ、色んなお煎餅が入っていて思わず涎が零れそうになる。
「はい、お待たせ。好きなの食べて良いよ」
そんな言葉と一緒に、コトリと湯飲みが置かれた。
「いただきますネ!!」
それを合図に、両手に一枚ずつお煎餅を持ってバリバリと音を立てて噛み砕く。
とりあえずその二枚を食べ切って、湯飲みに手を伸ばした。
口元に近づけて一口飲もうとすれば、ふわりと鼻に届いたのは何時もと違うお茶の香り。
「これ、何時もと違うアルカ?」
「飲んでごらん。美味しいよ」
にこにこと笑う新八に促され、ふぅふぅと吹き冷ましながら一口飲む。
途端、口の中に広がるのは梅の柔らかい味。
「ふぉぉおぉぉぉっ!!お茶なのに梅の味がするネ!!何アルカ!?コレ!!」
「梅茶って言うんだよ。家のご近所さんからお裾分けで貰ったんだけど、こう言うの神楽ちゃん好きかなって思って持って来たんだ」
「最高ヨ!!とっても美味しいアル!!私大好きネ!!」
初めて飲んだ梅茶は一瞬で私を虜にする。
酢昆布に勝るとも劣らない、最高の味ネ!!
興奮気味にそう言えば、新八はクスクスと楽しそうに笑った。
「あんまり量が無いから銀さんには内緒ね?」
悪戯っぽく笑って口唇に人差し指を当てる新八に、私は大きく頷いた。
新装開店だからって、朝からパチンコに行って帰って来ない当然の報いネ!!と言って。
それから暫く、銀ちゃんの居ない新八と私二人だけのおやつの時間は、梅茶の味と香りを楽しんだ。
END
ホント、基本的に親父は除け者なんです。これが標準装備です☆(おい)
2010.02.10
028.焼きたて
029.しずく
銀さんが変な感じになって大分経った。
でもやっぱり何も言われず、何か言いたげな視線だけは変わらず感じる。
ねぇ銀さん。
いっそはっきり言ってくれた方がいいです。
お前なんかいらないって、必要ないって言われてしまった方が楽です。
そしたら、僕は分かりましたって笑って居なくなりますから。
僕が居なくなったら、神楽ちゃんの事、ちゃんと面倒見て下さいよ?
アンタは今は何もしないけど、本当は料理だって掃除だって洗濯だって僕以上に器用にこなしてしまうから、最低限の生活は送れるでしょう?
でも、糖分の制限は出来ないでしょうね。
せめて、神楽ちゃんが一人立ちする日までは糖尿病予備軍から昇格する事だけは止めて下さい。
それだけは本当にお願いします。
まだ何を言われた訳でも無いのに、つらつらとそんな事を考えてたら、ぽたりと目から雫が一つ零れ落ちた。
あぁ男が簡単に泣くなんて情け無い。
でも、しょうがないじゃないか。
この暖かい場所から去るのは本当に辛いんだから・・・。
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坂田がグズグズしてるから新ちゃんがどんどんマイナス思考にっ!!!
うぁあぁあぁぁ・・・っ!!ごめんっ!!本当ごめんよ新ちゃんんんんんっ!!orz
2009.04.29
030.はちみつ